ご依頼内容

今回は中古住宅のキッチンを、住宅前で経営予定の飲食店の洗い物を補助できるキッチンへのフルリフォームのご依頼です。店舗へのアクセスのための勝手口増設、飲食店用大型の食器も楽々貯めておける業務用シンク、それでいて家庭の家事もこなすための最低限のキッチン設備とパントリー、収納家具を置けるスペースの確保。なかなか無い特殊なご依頼内容でしたが、構造を洗い出すところからスタート。設計上、安全性や機能面でご要望を叶えるのに問題がないか。これから長く住める’家’としての機能を見失わないように、話し合いを重ねながら設計、施工させていただきました。

施工内容

①スペースの確保、基礎
既存の住宅だと、キッチンとパントリーの間に建て付けの家具が設置してあり大きなスペースの確保が困難でした。まずはそちらを撤去して、壁、床共に剥がして柱の位置を確認していきます。一度リフォームに入っているのか、床を支える根太(網目に広がる木の支え)はまだまだ現役で使えるものだったので、既存の根太の上に床板を貼り、クッションマットで仕上げる施工を提案。現代の住宅のようにコンクリートで基礎を固めているわけではないため、シロアリ発生のリスクが高いので基礎木材への防虫剤散布だけはご提案に組み込ませていただきました。水栓、コンセント増設のための配管、配線工事もさせていただいております。

②勝手口増設、店舗への動線確保
勝手口増設に関しては、設計図を出してみないと予算内でできる施工かどうかなんとも言えないところでしたが、無事、店舗へのアクセスの良い場所に増設する事ができました。他で使った木材を使いながら階段を作りましたが、将来的に段差のないスロープや手すりを設置するバリアフリーなプランもご提案。一旦の形として階段を採用させていただきました。

③家庭内で使えるキッチン、光熱費節約提案
今回ご提案させていただいたキッチンはI型の家庭用キッチン。クリナップ様のラクエラシリーズ。サイズ、高さ、色のバリエーションが豊富で今回のような限られたスペースで、最低限度の機能のなかでも考え抜かれた商品で収納面も使いやすいオススメの商品です。また、店舗の洗い物が増える兼ね合いから給湯器をリンナイ様のハイブリッド給湯器を提案させていただきました。電気代が安い時間帯は電気で、それを補助する形でガスを使用しながら給湯。ガス、電気共に料金が上がっている昨今、一番バランスの良いエコ給湯器です。

今回は一般のご家庭でのリフォームと比べるとやや特殊ですが、中古物件のリフォームは近年増えております。大きく間取りを変更したり、ライフスタイルに合わせて各部屋の用途変更、水栓やコンセントを増設したりなど、時代によっても求められる住宅というのは変わっていきます。大工、電気技師、ガス配管、溶接、建築士と揃う当社だからこそ「出来る・出来ない」の判断とその説明が出来、かつ予算を抑えられる、そこが強みだと自負しております。

 

(2023.4 完工 担当:横倉)